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とび職とはどんな職業? 仕事内容や平均年収、とび職の資格について解説
2024年02月09日
「とび職」と聞くと、建設現場で作業する職人という漠然としたイメージを抱く人が多いですが、他の大工や作業員との違いは何でしょうか?
今回の記事ではとび職について詳しく解説。
とび職の歴史や名前の由来、種類、仕事内容、平均年収などを詳しく説明します。
とび職に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
とび職とは? 大工や足場屋との違いを解説
とび職とは建築現場で働く作業員の中で、高所での作業を専門とする技能職です。
建物の外壁、屋根、高い構造物などの高所で、建設に欠かせない危険で重要な作業を行うため、『建設現場の花形』とも呼ばれています。
「とび職」のとびは鳥の鳶?
「とび職」のとびは漢字では「鳶」なので、高いところで仕事をしているから鳥の鳶に例えられていると思われがちです。
しかし、とび職の名前の由来は、江戸時代に火消が建物を崩すために使っていた、長い木製の棒の先に鉄製の穂先を取り付けた「鳶口」からきているそうです。
とび職は江戸時代は火消しも兼任していたため、鳶口を使う職人として「とび職」と呼ばれるようになりました。
とび職の呼び名はいろいろあり、「鳶」「鳶の者」「鳶工」などとも呼ばれています。
とび職は伝統ある技術職
とび職の歴史は古く、飛鳥時代から現在のとび職のように高所での建設作業を専門に行っていた職人が存在していたそうです。
江戸時代のとび職人は建築作業だけでなく火消としても活躍していたため、大工や左官と並ぶ「華の三職」の一つとして、町民から尊敬される憧れの職業でした。
とび職にもいろいろある!とび職の種類を紹介
歴史の古い伝統職であるとび職ですが、現代でもマンションやビルの建設工事に欠かせない専門性の高い技能職です。
とび職は仕事内容によって、「足場鳶」「鉄骨鳶」「重量鳶」の3種類に分けられます。
ここからは、各とび職の仕事内容について解説します。
足場鳶
足場鳶は、建築現場での足場鳶を担当するとび職人のことです。
マンションやビルなどの大きな建物を作りあげるためには、作業員が安全に作業ができるように足場を作ることが必要です。
足場鳶の仕事は、建設現場での足場の設置と解体が仕事です。
鉄骨鳶
鉄骨鳶は、ビルやマンションなどの鉄筋構造の高層建物で、骨組み作りを専門に行うとび職人です。
大きな鉄骨をクレーンで高所まで持ち上げて、組み立てます。
重量鳶
重量鳶は、大型の機械や設備など、重量のあるものを運搬したり設置したりするとび職人です。
大型クレーンなどを使って数百トンもある重量物を取り扱うため、専門的な知識や特殊技術を必要とします。
とび職になるためには?気になる年収も紹介
「現場の花形」と呼ばれるとび職ですが、とび職として仕事をするには学歴や資格は必要なのでしょうか?
また、どれぐらいの年収が期待できるのでしょうか?
学歴は特に必要なし
とび職になるためには学歴は必要なく、中卒者や高校中退者も多く活躍できる職業です。
もちろん学歴が必要ないからと言って、誰でもできる簡単な職業というわけではありません。
とび職として働き続けるためには体力や運動神経の良さはもちろん、現場で先輩から教わった仕事をしっかりこなして仕事を覚えていくことが不可欠です。
とび職の資格は?
とび職は未経験でも採用してもらえますが、とび職人を対象にした「とび技能士」という国家資格があります。
とび技能士の資格は1〜3級の3段階あり、その中で最も簡単な3級には必要な実務経験年数がなく、誰でも受験できます。
2級の受験資格は実務経験2年か3級合格が必要となります。
1級の受験資格は実務経験のみなら7年、2級合格後2年、3級合格後4年の実務経験が必要となります。
ベテランのとび職でも資格を持っていない人は多くいるため、とび職の世界は実力次第と言えるでしょう。
しかし、新しくとび職人になろうという若者や、まだまだ経験を積んでいる途上の20代のとび職の人には、就職や転職にも優位になる技能士の取得をおすすめします。
とび職の年収は?
学歴不問で未経験でもなれるとび職ですが、平均年収は約440万円です。
25歳~29歳のとび職人の平均年収は約350万円、30歳~34歳では約400万円と言われており、経験を重ねて技能士の資格を取ったり、専門的な知識や技術を身につけていったりすることで、年収も上がっていきます。
また、会社組織に属さない一人親方のとび職の平均年収は500〜700万円で、中には年収1,000万円を超える人もいるそうです。
まとめ
建築現場の花形とも呼ばれるとび職は、学歴不問で未経験でも飛び込んでいける職業です。
先輩のとび職の元で経験を積んで、知識や技術を身に着けていくことで、ゆくゆくは一人親方として独立して高年収を得ることも可能です。
学歴や経歴に関係なく実力で勝負したいという若者には、やりがいも将来性もある職業かもしれません。