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支保工と足場の違いは?それぞれの意味や役割から違いを解説!

2024年02月06日

皆さんは、支保工と足場の違いをご存じですか?

支保工と足場は、どちらも建設現場でよく見られ、形状や材料が似ている点から混同されている方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、上記はそれぞれの意味や役割において明確な違いがあります。

今回は、支保工と足場の違いを意味や役割から解説します。

支保工と足場の違いは?それぞれの意味や役割から違いを解説!

支保工と足場における意味の違い

支保工および足場は、一般的に以下の様な意味で使用されています。

  • 支保工:所定の位置に物体を固定する仮設構造物
  • 足場:高所作業用に設置される仮設構造物

上記より、支保工はビルなどの建物やインフラ工事などにおいて、コンクリートの型取りや土止めのために使われる役割の構造物です。

一方、足場は作業台として使用され、国土交通省では2.0m以上の高所作業における作業床および通路として作られる仮設の構築物としています。

このように、支保工と足場には意味や役割において大きな違いがあることがわかります。

支保工の役割と種類

支保工は、物体の固定を目的としている仮設建築物です。そのため、用途によって様々な種類が存在します。

本項では、支保工の代表例である型枠支保工と土止め支保工について解説します。

型枠支保工

型枠支保工は、コンクリートを所定の形状に仕上げる型枠および支柱などを指します。また、型枠支保工には、以下のような種類が存在します。

  • パイプサポート式

パイプサポート式は、金属パイプとせき板(コンクリートの流れを止める板)で構成されています。また、金属パイプにはハンドルによって長さを調節できる外ねじ式も存在し、高さを容易に調節できるメリットがあります。

  • 枠組式

枠組式は、型枠を支える役割と足場の役割を果たす支保工を差し、門型の資材を用いる特徴があります。そのため、型枠を保持する能力に加え、足場としての安全性を考慮した設計が必要です。

  • 軽量支保ばり式

軽量支保ばり式とは、横架材という水平方向に渡された部材を梁や壁型枠にかけ、間の支柱を少なくする工法です。この工法では、資材を使いまわしたり、同じ構造を組み合わせた構築ができたりするメリットがあります。

  • 組立鋼柱式

組立鋼柱式は、鋼管などの一般的な材料を用いて支柱を組み立てる方式です。また、1本の鋼管で許容できる荷重が大きいため土木工事などでよく使用されます。

  • 四角塔式

四角塔式は、数点の基本部材で構成され、クレーンで吊って移動できる点が特徴です。そのため、支保工の組立作業を工事現場とは別の場所で行えるので、作業性に優れている工法だと言えるでしょう。

  • くさび緊結式

くさび型緊結式は、緊結部を備えた鋼管をハンマーなどで緊結し、構成する方法です。(緊結:締め付け/打ち付け/縛り付けを強く行い、ゆるみやズレを防止すること)

そのため、多くの工具を必要とせず、簡単に組み立てられる点がメリットで、木造家屋や低層住宅に使われる傾向があります。

このように、型枠支保工は建物の種類や現場の環境に応じて様々な工法が用意されていることがわかります。

土止め支保工

土止め支保工は、土木現場で使われる支保工で、土壁の崩壊や土砂崩れなどを防ぐ役割を果たします。そのため、工事を行う箇所の土質や地下水位などの土木に関する検討が必要です。

土止め支保工には、主に以下の工法が存在します。

  • 軽量鋼矢板工法

軽量鋼矢板工法では、切削した地面に幅が狭く薄い鋼板を複数枚はめ込み、土止めを行う工法です。また、この工法には手順の違いにより建て込み式と打ち込み式に分けられます。

建て込み式は、切削後に鋼板を取り付け、土止めする方法です。対して、打ち込み式は、最初に鋼板を打ち込んだ後に切削をする方法で、弱い地盤に適しています。

  • 建込み簡易土止め工法

建込み簡易土止め工法は、地面に土止めパネルを打ち込み、切削を行う工法です。

この工法には、切りばりを圧入した後に地面を掘り進めながら土止めパネルをスライドさせるスライドレール方式と、地面に土止め支保工を圧入した上で切削を進める縦ばりプレート式があります。

このように、支保工は用途によって種類や工法に分かれていることがわかります。

足場にまつわる規定

足場は、高所作業における作業台の役割を果たし、以下のように分類されています。

  • 枠組足場:門型に溶接した鋼管を支柱とする足場
  • 本足場:鋼管などを用いた4本の支柱で作業板を支える足場

(枠組足場を除く足場を本足場と呼ぶケースもある)

また、安全上の理由からそれぞれに対して、労働安全衛生法による規定が存在します。

本項では、足場における墜落と物体落下による危険防止に関する規定を紹介します。

枠組足場の規定

枠組足場では、墜落や作業者に危険の恐れがある箇所に、以下のような安全措置を講じる必要があります。

安全設備の主な内容
墜落防止措置以下のいずれかの設置が必要交さ筋かいと高さ15cm~40cmの桟のセットもしくは、高さ15cm以上の幅木(高さ15cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)手すり枠
物体落下による危険防止措置高さ10cm以上の幅木およびメッシュシートや防網(高さ10cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)

このように、足場の側面に枠や手すりなどを設けることで、作業者や部品の落下を防ぐ措置が求められていることがわかります。

本足場の規定

本足場では、墜落および物体落下の危険を防止するために、手すり・中さん・幅木の設置が必要です。以下の表は、安全対策に必要な設備の内容を記しています。

安全設備の主な内容
墜落防止措置手すり等および中さん等の設置が必要足場等:高さ85cmの手すり(高さ85cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)中さん:高さ35cm~50cmの桟(高さ35cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)
物体落下による危険防止措置以下の設置が必要高さ10cm以上の幅木およびメッシュシートや防網(高さ10cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)

なお、2024年の4月1日の労働安全衛生法の改正により、幅1m以上の箇所における足場では一側足場(建物で作業板の片側を支えている足場)の使用ができなくなるので、注意が必要です。

支保工と足場の違いは?それぞれの意味や役割から違いを解説!まとめ

今回は、支保工と足場の違いについて、意味や役割から解説しました。

支保工は、工事に用いるコンクリートや土砂を固定する役割を持ちます。

一方、足場は作業用に設置されるため、安全に関する様々な規定がある点が特徴です。

本記事が、支保工と足場の違いを知るキッカケになれば幸いです。

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