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足場組立作業主任者には特別教育が必要なのか?足場技能講習との違いも解説!

2024年03月14日

足場組立作業主任者には、特別教育が必要なのでしょうか?

また、足場に関する特別教育と足場技能講習にはどのような違いがあるのでしょうか?

特別教育と足場技能講習は、それぞれ法令により必要な教育です。

今回は、足場組立作業主任者における特別教育の必要性や、特別教育と足場技能講習の違いを解説します。

足場組立作業主任者には特別教育が必要なのか?足場技能講習との違いも解説!

足場組立作業主任者の特別教育の必要性は?

特別教育は、足場組立作業主任者になるための要件ではありません。上記は、中小建設業特別教育協会のサイトに記載されています。

本項では、足場組立作業主任者の概要と、特別教育の目的や対象者について解説します。

足場組立作業主任者とは?

足場組立作業主任者は、足場工事において作業員を指揮監督する職務です。具体的には、足場の工事現場における危険性および有害性防止の観点から、作業の指示や設備の管理を目的とした業務を行います。

また、労働安全衛生法(施行令第6条)によると、足場組立作業は作業主任者の専任が必要な36種の業務の1つとして挙げられています。そのため、足場組立作業主任者になるには、足場技能講習の修了が必要です。

また、この講習によってゴンドラつり足場を除くつり足場や、張出し足場、5m以上の高さを持つ構造物の足場における組立・解体・変更の指揮監督を担えます。

このように、足場組立作業主任者は足場工事を遂行するに当たって、法的に専任が必要な職務です。そのため、需要が高く、取得により仕事の幅が広がると期待できるでしょう。

特別教育は誰が対象?

特別教育は、足場の組立作業に必要な教育です。そのため、主に作業者を対象とした教育と言えます。

足場は、ビルや工場などで高所作業を行うために必要な仮設物です。しかしながら、足場の組立時には墜落や転落といった労働災害の危険性を内包している点は否定できません。

そのため、労働安全衛生法(第59条)では、足場の建設を必要とする事業者に対して作業者に対する特別教育の実施を義務付けています。

また、足場組立における特別教育は作業者の安全に留意した教育なので、受講により業務の幅を広げたり、資格の取得につながったりするものではありません。

しかしながら、現場作業において作業方法、設備や工具の知識、労働災害の防止の観点を取得すると、自分の身を守る強固な盾となり得ます。

このように、足場の組立作業において特別教育は、作業者にとって重要な教育と言えるでしょう。

特別教育と足場技能講習の違いは?

労働安全衛生法により足場工事を担う事業者は、安全の観点から作業主任者の専任および作業者に特別教育を受講させる義務を果たさなければなりません。また、足場組立の作業主任者には足場技能講習の修了が必要です。

本項では、特別教育で学べる項目や足場技能講習の受講に必要な条件を解説します。

特別教育で学べる項目は?

足場工事の特別教育は、労働災害防止の観点により受講を義務付けられています。しかしながら、その内容は安全に限らず足場に関する知識を網羅的に学べるカリキュラムである点が特徴です。

具体的には、足場工事における墜落や転落の災害状況の報告から始まり、以下の4項目の教育が行われます。

  1. 足場及び作業の方法に関する知識

本項目では、足場の定義を確認し、足場に用いられる材料や構造を学びます。

特に、足場の材料や構造に関しては、枠組足場やくさび緊結式足場などの内容を種類ごとの使用場所や特徴、工法などの基礎知識を網羅的に学べる点が特徴です。

  1. 工事用設備、機械、器具、作業環境に関する知識

本項目では、クレーン等の重機や電動ホイストなどの電動機器について学びます。

内容は、クレーンの種類や玉掛けの細かい方法といった、大枠から実践的な内容までを具体的に学べるという特徴があります。

  1. 労働災害の防止に関する知識

本項目では、安全設備や保護具の点検など災害防止の具体的な内容を学びます。中には、電流値(アンペア数)別に人体に及ぼす影響が具体的に学べるなど、知ることによって災害を防止するように作られています。

  1. 関係法令

本項目では、主に労働安全衛生法に関して学びます。内容は、労働安全衛生法の内容に留まらず、法律の位置付けや読み方なども含まれています。そのため、足場工事に限らず様々な分野でも役立つ知識を学べる点が特徴です。

このように、足場工事の特別教育は災害防止だけでは無く、足場工事の基礎ひいては、工事全般における教育が受けられるメリットがあると言えるでしょう。

なお、足場工事の特別教育は、満18歳以上を受講資格としています。

足場技能講習を受講するには?

足場技能講習は、足場工事の安全の観点から作業の指示監督や設備の管理を担います。そのため、以下のような経験を持つ方に受講資格が与えられます。

  • 3年以上の足場の組立・解体・変更における作業経験がある者
  • 大学や高等学校などで土木・建築・造船の学科を修了し、2年以上の実務経験がある者
  • 厚生労働大臣が定める者(とびに係る1級・2級技能検定の合格者など)

足場技能講習の受講内容は、足場の作業方法、設備の知識、法令関連の知識に加えて、作業者に対する教育に関する知識が含まれている点が特徴です。

また、足場技能講習の終了後には学科試験が実施され、合格者に修了証を交付する仕組みとなっています。(修了試験に実技試験はありません)

このように、足場技能講習は足場に関する知識や労働安全衛生法の復習から、教育を行う立場としての内容となっている点が特徴です。

まとめ

今回は、足場組立作業主任者における特別教育の必要性について解説しました。

足場組立作業主任者は、安全の観点から足場工事における作業の指示や監督ならびに設備管理を担う職種です。

一方、足場に関する特別教育は、作業者が安全に留意できるようなカリキュラムになっています。加えて、特別教育では足場に関する知識を網羅的に学べるので、日々の業務に活かして頂ければ幸いです。

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